現代社会において、仕事と私生活の調和を図るワークライフバランスの重要性が日々高まっています。日本の多くの企業では長時間労働が常態化しており、労働環境により負荷を感じている従業員も少なくないでしょう。この状況を改善し、より健康的で充実した生活を送るためには、適切な休息と自己実現の時間が不可欠です。ワークライフバランスの基本的な考え方、効果的な施策などを簡単に紹介します。
ワークライフバランスとは、仕事(work)と個人の生活(life)の調和がとれた状態のこと。つまり労働とプライベートのどちらも同じように両立させることで、より一人ひとりや社会が豊かになるという考え方です。この言葉自体は、2007年に内閣府が「仕事と生活の調和(ワークライフバランス)憲章」にて方針を掲げたものですが、その後2018年7月6日に公布された「働き方改革関連法」をきっかけに、働く一人ひとりの置かれた状況に応じてより柔軟な働き方が推進されました。
また、そこから派生して「ライフワークバランス」や「ワークライフインテグレーション」などの概念も生まれ、働き方に対する考え方が多様化しています。これにより個々の価値観やライフスタイルに合わせた柔軟な働き方が重視され、企業には時流やニーズに合わせた新しい考え方が求められています。

連絡手段や業務ツールの進化・発展により、仕事の密度が過去に比べどんどん高まっていく中、日々の業務に追われて心身の疲労が蓄積されがちな現代社会。ワークライフバランスが整っていない状態が続くと、心身の疲労が蓄積し、うつ病などのメンタルヘルス不調に陥るリスクが高まります。労働時間や職場環境を見直すことで、従業員の心の健康が守られ、業務のクオリティ維持と長期就労にもつながります。
ワークライフバランスが充実している状態は、従業員の生産性や業務の効率化に貢献します。長時間労働や休日出勤が多く休暇を取りにくい職場では、心身の疲労が蓄積し、かえって業務のパフォーマンスが低下したり、突発的な休職者発生のリスクなどもあります。適切なタイミングで休息を取って気持ちを切り替えられる環境を整えることで、モチベーションや集中力が高まり、仕事の質が向上します。
人材の確保という点でもワークライフバランスを整えることには大きな利点があります。結婚や出産、育児、介護など、ライフステージの変化に適応できる柔軟な働き方が認められると、やむを得ない理由での退職防止に大きく貢献できます。時短勤務やリモートワークといった手段を活用することで、社員が安心して長く働ける環境が整い、離職率低下や定着率向上にも寄与することでしょう。
ワークライフバランスを推進する企業は、従業員の健康と幸福を重視していると見なされ、社会的評価の向上が見込めます。とくに就職活動中の学生や転職を考えている社会人にとっても、仕事とプライベートをともに充実できる会社かどうかは、企業選びの重要な基準のひとつになりつつあります。優秀な人材の獲得を目的のひとつとする、企業ブランディングの観点でも取り組むべき施策です。

ワークライフバランスを実現するには、新たなシステムの導入や人材の確保が必要です。たとえば柔軟な働き方を叶えるテレワーク拡大のために、遠隔でも業務が円滑に進むITツールを新規導入するといった出費が見込めます。これにより一定の初期費用や運用コストが発生しますが、これらを先行投資と考え、予算と従業員のニーズを照らし合わせながら、自社に最適なサービスを選ぶことが重要です。長期的な視点で効果を検討し、持続可能な環境作りを目指しましょう。
時短勤務やリモートワークなどの制度を導入すると、それを利用する人・しない人の間で待遇に関する不公平感が生まれる可能性があり、場合によっては従業員のモチベーション低下につながることもあります。さまざまな立場の社員から意見を聞き、全員が納得できる制度設計を行うことが大切です。公平性を保ちながら、柔軟な働き方を推進する仕組みを整えましょう。同時に、柔軟な働き方を許可されている従業員が肩身の狭い思いをしたりすることがないよう、利用者側のケアも不可欠です。
ワークライフバランス向上のための具体的な施策を打った際は、その後の経過観察や見直しを欠かさずに行うことで、より効果的なPDCAサイクルを回していくことが可能になります。たとえば取り組みの結果プライベート重視に偏りすぎたり、労働環境が抜本的に改善されなかったりすると、制度が形骸化してしまう恐れがあります。定期的に従業員(新入社員から管理職までを含む)への業務状況に関するヒアリングや、制度の利用状況の振り返り・改善を重ねることで、実効性のある仕組みを維持できます。
既存の職場環境に新しい働き方を取り入れることで、管理職は従業員の勤務状況を把握し、適切に評価する役割が求められます。しかしその負担が増すことで、管理職自身の負担が大きくなり、健全な組織運営や適切な評価対応に悪影響が生じることもあり得ます。若手社員だけでなく管理職にもメンタルケアや1on1を実施することで、組織全体が活気を持って働ける環境を整えられます。

残業や時間外労働、休日出勤が常態化している職場では、従業員が心身の不調を抱えるリスクが高くなります。労働時間を適切に把握することはもちろん、業務の分担や業務改善を行うことで、過剰な残業を減らして健康的な労働環境を作ることが重要です。透明性の高い勤怠管理ツールを導入したり、個々の残業時間を管理職や人事部がともに把握できる環境を整えたりといった対策のもと、社員が無理なく働けるように労働時間の適正化を目指していきましょう。
働く女性の産前産後休暇だけでなく、男女問わず育児や介護で休業できる制度を整えることは、仕事と家庭の両立を支援するために不可欠です。たとえば男性社員が長い育休(数ヶ月以上)を取得できる体制を整え、実際に活用実績を生み出すといった抜本的な対応が求められます。また特別な理由がなくても、有給休暇を気軽に取得できることも大切な要素のひとつ。社員が自分のタイミングで休暇を取れることで、心身の疲れやストレスを軽減し、より充実した生活が送れるようになります。
福利厚生を充実させることも、ワークライフバランスの実現に非常に有効です。特に健康や経済面をサポートする福利厚生は、全ての社員にとって大きな助けとなります。従業員が平等に利用できる福利厚生を導入することで、ワークライフバランスの改善と満足度向上に結びつくでしょう。具体的には、安価で健康的な食事や軽食を購入できる社食・オフィスコンビニサービスや、企業負担でフィットネスジム施設を利用できる福利厚生、住宅手当や家族手当などが有効的な手段といえます。
在宅勤務やリモートワークなど、職場に出社する以外の多様な働き方を認めることは、柔軟な労働環境の実現に直結します。通勤時間のストレスが軽減されるだけでなく、育児や介護など家庭の事情とも両立しやすくなるでしょう。また時短勤務やフレックスタイム制を導入することで、社員の体調に応じた働き方が可能となり、無理のない就業が促されます。
EAP(従業員支援プログラム)とは、社員の心身の健康や職場問題を支援する制度のこと。不調を感じた際にいつでも相談できる窓口やカウンセリングと提携したり、ストレスマネジメントセミナーを実施したりすることで、企業全体で健康維持を支援し、悪化を防ぐ対策を講じることが求められます。

執筆者 山本瑠奈|株式会社スナックミー カスタマーサポート
百貨店デザイナーズブランド勤務やコールセンター勤務を経て、株式会社スナックミーでお客さまとのコミュニケーション窓口を担うカスタマーサポート担当。個人・法人のユーザーさまが安心してスナックミーをご利用いただけるよう、お困りごとに真摯に向き合うかたわらで、課題解決に役立つ「よくある質問」コンテンツの編集・更新や「福利厚生用語集」の作成も対応中。好きなおやつは『もっちりさつまいもバター餅』と『米粉パスタスナック』。

監修者 中川栞|株式会社スナックミー ライター・エディター
Web制作会社の管理職としてライターの指導・教育に従事したのち、株式会社スナックミーでコンテンツ制作を手掛ける、おやつライター兼エディター。安心・安全の「おやつ時間」の楽しみ方や、暮らしや職場におやつがある日々の豊かさ、福利厚生置き菓子の魅力を軸に、自社オウンドメディア『snaq.me magazine』の記事や商品パッケージのコピーライティングなどを担当。好きなおやつは『スナックミーのやさしいキャラメル』と『キングソロモンデーツ』。
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