副業支援とは?概要と注意点、取り組みのメリットをわかりやすく解説

2025/4/22

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終身雇用が当たり前だった時代から一転し、働き方に対する価値観は大きく変化しています。収入の多様化やキャリアの自由度を求め、副業を選択する人が年々増加傾向にあります。かつて副業は「本業に支障をきたすもの」とされがちでしたが、現在では企業側も柔軟な姿勢を取り始めました。国の政策も後押しするなか、法的な整備や企業制度の整備が進み、個人が自由に働き方を設計できる時代が訪れています。本記事では、企業が行う従業員への副業支援について、メリットや気を付けたいポイントなどを解説します。

副業支援とは

そもそも副業とは本業とは別に収入を得る活動のことを指し、就業時間外にアルバイトやフリーランス、起業などに取り組むケースが多く見られます。かつては企業側が副業を禁止するのが一般的でしたが、働き方改革の推進やキャリア多様化の必要性を背景に、2018年以降は政府主導で副業解禁の流れが強まり、「従業員の副業が企業に利益をもたらす」という視点から副業を推奨する時流が見られるようになりました。

なお、「副業」は本業に付随する仕事を、「兼業」は複数の仕事を同等の立場で行うことを意味しますが、近年では区別せずに扱われる傾向があります。法的には副業は原則自由ですが、労働時間の通算管理や秘密保持・競業避止などの義務により、企業が一定の制限を設けることも可能です。副業に取り組む際は、就業規則や雇用契約の内容を確認することが重要です。

副業支援のメリット・効果

デスクに向かい、ノートパソコンを操作する男性

従業員のモチベーションと心理的安全性の向上

副業支援は、従業員の内発的な動機づけを刺激しモチベーションの維持に寄与します。特に自己裁量のある活動や新たなチャレンジができる副業に従事することで、「やりがい」や「達成感」を感じやすくなります。精神的な充足が得られ、本業への姿勢にも良い影響が表れるのです。加えて副業で得た経験が評価される場があると、本業と副業の双方に前向きな相乗効果を生み出す可能性もあります。

また企業が副業を容認することで、従業員は「信頼されている」という実感を持ちやすくなります。心理的な安全性の確保は、企業へのロイヤルティ向上にもつながるでしょう。加えて副業で得た経験が評価される場があると、本業と副業の双方に前向きな相乗効果を生み出す可能性もあります。モチベーションと心理的安全性エンゲージメントは組織活性化の起点となる重要な要素です。

人材育成とスキルアップへの貢献

副業支援は、社外での実践経験を通じて従業員のスキル形成を促進する有効な手段です。職種や業界の異なる業務に触れることで、本業では得難い知識やスキルの獲得が可能になります。例えば異業種での営業活動を経験することで、交渉力や柔軟な対応力が身につく場合があります。こうしたスキルは本業においても即戦力として活かされることが多く、組織全体の人材力強化にもつながるでしょう。

また自主的に学び直す姿勢が醸成されることで、自分自身の力でキャリアを形成していく意識も高まります。副業を通じた継続的な挑戦と成長が、従業員の主体性や自立性を引き出す好機になるのです。社内教育では補えない多様な経験を取り込む点でも、副業支援の価値は高いといえます。

イノベーション創出と組織活性化

副業を通じた社外活動は、従業員が他業種や異なる働き方に触れることで固定化された業務観に新しい風が吹き込まれ、組織のイノベーション創出に大きなインパクトを与えます。例えば副業先で得たネットワークや発想が、本業での新規事業提案や業務改善アイデアとして生かされることもあるでしょう。こうした多様な視点の流入は社内の慣習を見直す契機にもなり、結果的に組織全体の活性化を促進します。社外から得た情報が内部の議論を活性化させる効果もあるため、企業にとって副業支援は外部との接点を社内に取り込み、内発的変革を促す戦略的手段といえるでしょう。

優秀な人材の確保と離職防止

副業を認める企業は優秀な人材にとって魅力的な選択肢となります。特にキャリア意識の高い人材は自らの成長機会を重視する傾向が強く、副業可否を企業選びの条件に含めるケースも珍しくありません。柔軟なキャリア形成を支援する体制を整えておくことで、他社との差別化にもつながります。

また副業によって自己実現の機会を確保できれば、従業員の退職動機の一つである「やりたいことができない」状態を回避することも可能になります。企業としては外部で経験を積んだ人材を継続的に活用できるという点で、人材流出リスクの抑制につながるでしょう。副業支援は、採用・定着の両面での施策として極めて有効です。

副業支援のデメリット・注意点

ノートパソコンを操作しながら、チョコレートをつまむ手元

過重労働による健康リスク

副業を行うことで、労働時間が長時間化しやすい点に注意が必要です。本業と副業のスケジュールが重なれば、休息時間を十分に確保できなくなり、心身への負担が増加します。特に慢性的な疲労や睡眠不足は、集中力の低下や免疫力の減退を引き起こし、病気や事故のリスクを高める要因となります。体調不良が続けば本業と副業の双方に悪影響が出るだけでなく、社会人としての信頼を損なう恐れもあるでしょう。

企業側は従業員の副業状況を把握し、必要に応じて労働時間の通算管理や健康診断の強化などの対策を講じる必要があります。一方、個人としてもスケジュールの見直しや十分な休息を意識し、自分の限界を正しく理解する姿勢が求められます。副業の継続には健康管理の徹底が不可欠です。

情報漏洩や競業行為のリスク

副業先での業務が本業に影響を与える場面は少なくありません。特に問題となるのが情報漏洩や競業行為です。従業員が副業中に本業のノウハウや顧客情報を無意識に共有してしまうことは、企業の信用を大きく損ねる事態に発展しかねません。さらに副業先が同業種や競合関係にある場合には、利益相反の可能性も発生します。

このようなリスクを回避するためには申請時に副業内容を詳細に確認し、競業に該当する場合は許可しない明確な方針が必要です。また秘密保持義務の再確認や誓約書の提出を義務付けるなど、法的な対処も検討すべき要素となります。副業の自由を認めるだけではなく、自社の資産を守る備えが求められます。

公平性・評価制度への影響

副業支援制度を導入した場合、制度利用者と制度を活用しない従業員との間で、不公平感が生まれるリスクがあります。副業によって得たスキルや人脈が本業の業務評価に影響を与える可能性がある一方で、制度を活用しない従業員が「不利に扱われている」と感じる場面も想定されます。さらに上司による評価の際に、副業の有無が意識的・無意識的に影響する懸念も否定できません。

こうした状況が続けば、職場の一体感やチームワークが損なわれる恐れがあります。企業は人事評価の基準をあらかじめ明確にしておき、副業の有無によって評価が左右されないことを社内に丁寧に周知することが重要です。制度運用の透明性が持続的な制度利用を促進する鍵を握ります。

制度設計と運用に伴う事務負担

副業支援の導入は企業にとって新たな管理業務の増加を意味します。例えば申請内容の確認、労働時間の把握、健康リスクのモニタリング、副業許可の更新管理など、多岐にわたる業務が発生します。これらを適切に実施するには、人事部門に新たなリソースを割り当てる必要があります。

また、制度運用が属人化すれば運用の一貫性を保つことが難しくなり、結果として社内トラブルや認識のずれが生じかねません。特に中小企業では追加業務に対応する余力が不足しがちです。そのため、制度設計時には簡素化・自動化の工夫を取り入れることが現実的です。運用面の負荷を軽減できれば、制度そのものの持続性も高まるでしょう。

副業支援の取り組み事例

会議室のテーブルを囲み、ノートパソコンを操作する複数の社員

明確なガイドラインと就業規則の整備

副業支援に取り組むうえで、まず求められるのが就業規則およびガイドラインの明文化です。許可制・届出制のどちらを採用するか、申請時に記載すべき情報、禁止される副業の条件などをあらかじめルールとして定めておくことが社内混乱を防ぐ第一歩となります。

副業の目的が社会貢献なのか収入補填なのかによって、企業側の対応も変わる可能性があるため、規程では「業種」「時間帯」「競業の有無」などを明確に審査基準として盛り込むことが推奨されます。あいまいな運用を続けてしまえば、後々のトラブルにつながりかねません。制度の土台を固めたうえで柔軟な運用が可能になるのです。

フォロー体制と健康リスクへの配慮

副業支援を実効性あるものにするには、制度導入後のフォロー体制が欠かせません。例えば従業員が副業を通じて過重労働に陥っていないか、心身の不調を感じていないかといった点を定期的にチェックする仕組みが必要になります。就業時間外で行われる活動であっても本業のパフォーマンスや健康に影響するようであれば、企業は安全配慮義務の観点から適切な措置を講じなければなりません。

具体的には月ごとの副業実施状況の報告、定期的な面談、産業医との連携などが効果的です。フォロー体制を整えることで、副業支援の取り組みが「単なる容認」にとどまらず「成長と安心の両立」を実現する制度へと進化していきます。

管理職向けの研修と職場文化の醸成

副業制度を円滑に機能させるには、現場の理解と協力が不可欠です。特に管理職が副業に対して否定的な認識を持っている場合は、従業員が制度を活用しにくくなってしまいます。そのため副業制度に関する研修や説明会を管理職向けに実施する取り組みが重要です。副業によるスキル習得やモチベーション向上が、本業にも良い影響を与えるという視点を共有することが求められます。

また職場全体で副業を肯定的に捉える文化を築くためには、制度の目的や効果を明確に周知する工夫も欠かせません。上司と部下の信頼関係をベースに、制度が形骸化せず実際に機能するような職場環境づくりが鍵となります。

従業員への情報提供と支援ツールの整備

副業支援の取り組みを進めるうえでは、従業員自身が適切な判断と準備ができるように情報提供と支援体制の構築が欠かせません。特に確定申告や税務処理、社会保険の扱いに関しては、誤解や不備が生じやすい領域です。人事が副業に関するFAQやガイドブックを整備し、従業員がいつでもアクセスできる仕組みを設けることで不安や疑問を軽減できます。

また副業申請書のテンプレート、報告様式、Q&Aセミナーなどの事前支援を行うことで、制度の利便性と信頼性が向上し、制度運用がスムーズになります。結果として従業員の副業活動が企業にとってもプラスとなる土壌が生まれるでしょう。

なお、こうした副業支援についての情報が必要な場合は、生き方・働き方の提案に特化したメディアサイト「日本デザイン」のような専門性の高いサービスを活用すると、効率的に情報取得ができます。

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執筆者「中川栞」の顔写真

執筆者 中川栞|株式会社スナックミー ライター・エディター

Web制作会社の管理職としてライターの指導・教育に従事したのち、株式会社スナックミーでコンテンツ制作を手掛ける、おやつライター兼エディター。安心・安全の「おやつ時間」の楽しみ方や、暮らしや職場におやつがある日々の豊かさ、福利厚生置き菓子の魅力を軸に、自社オウンドメディア『snaq.me magazine』の記事や商品パッケージのコピーライティングなどを担当。好きなおやつは『スナックミーのやさしいキャラメル』と『キングソロモンデーツ』。

※本サイトは、福利厚生の導入や運用に関する制度や実務面でのアドバイスを提供するものではありません。当社は本サイトの記載内容(事例を含む)の正確性や妥当性に努めておりますが、各企業の状況に応じて、専門家へのご相談やご自身の判断のもとでご利用いただきますようお願い申し上げます。

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