従来、福利厚生業務は人事部・総務部など社内バックオフィス部署にて完結させることが一般的でしたが、近年では業務効率化やコスト削減、従業員満足度向上などを目的として、アウトソーシングを活用する企業が増えています。社内負担を抑えつつ従業員満足度向上や業務効率化を狙えるアウトソーシングの基礎知識やメリット・デメリット、サービス選びのポイントなどをご紹介します。
福利厚生のアウトソーシングとは、福利厚生の運用や管理を外注・代行依頼するサービスのこと。企業が従業員に提供する福利厚生制度の設計・運営・管理のすべて、または一部を専門の外部企業に委託する形式を指します。昨今の日本企業では業界を問わず人手不足が深刻化しており、バックオフィス部署のリソース不足を解消しながら、従業員の定着・離職率改善につながる福利厚生を提供できる手段として人気を集めています。
従業員が自分の好みに合わせて、旅行/レジャー/育児・介護サービス/スキルアップ講座など、さまざまなサービスを自由に選択できる「カフェテリアプラン」とも呼ばれる制度です。従業員の年齢層やライフステージがさまざまであっても、個々人の幅広いニーズに対応できる選択肢の多さが魅力的です。
あらゆるサービスを網羅するメニュー型と異なり、ひとつの分野に特化してあらかじめまとめられたサービスが提供されるもので「パッケージプラン」とも呼ばれます。たとえば健康的なお惣菜が届く社食サービス、オフィスで手軽にお菓子や軽食を入手できる置き菓子・オフィスコンビニサービス、フィットネスジムの利用やパーソナルトレーナーのサポートを受けられる運動サービスなどが人気です。自社に不足している要素をピンポイントに補えて、価格もその分調整しやすい点が大きなメリットです。
福利厚生として人気の高い、従業員向けの社宅や寮の管理業務を代行するサービスです。入居者募集、契約手続き、家賃管理、修繕対応など、手間のかかる業務をまるごと外注できます。

福利厚生の企画・運営・管理は、想像以上に多くの業務が発生し、人事労務担当者にとって大きな負担となっています。アウトソーシングを活用することで、たとえば以下のような業務を専門業者に委託すると、担当者は本来の業務に集中できるため、バックオフィス業務の生産性向上や業務効率化も期待できます。
・福利厚生制度の設計や見直し
・従業員からの問い合わせ対応
・福利厚生費の請求、精算業務
・各種申請書類の処理
福利厚生アウトソーシングサービスでは、企業のニーズや従業員の属性に合わせた多様な福利厚生メニューを提供しており、以下のようなメリットがあります。従業員は自分のライフスタイルや好みに合う福利厚生を選択することができます。魅力的な福利厚生制度を導入することで、従業員のモチベーションやエンゲージメントの向上、企業へのロイヤリティ(愛社精神や帰属意識のこと)向上につながります。
【豊富な福利厚生メニュー】レジャー施設の割引、旅行補助、育児支援、介護支援、スキルアップ支援など、幅広いメニューから選択可能
【従業員専用ポータルサイト】福利厚生サービスの内容や利用方法を簡単に確認できる
【24時間365日利用可能】時間や場所を問わず、いつでも利用できる
福利厚生を自社で運用する場合、施設の維持費やシステム開発費、人件費など、多額の費用が発生する可能性があります。アウトソーシングを活用することでこれらの費用を抑え、福利厚生サービス提供・運営にかかるコストを削減することができます。コスト削減は企業の経営を安定させ、さらなる事業成長を促進するための重要な要素となります。
福利厚生アウトソーシング会社には、多くの場合福利厚生に関する専門知識やノウハウを持ったスタッフが在籍しており、ニーズに合わせた最適なプランの提案や、法改正に則った最新情報などの質の高いサービスを提供しています。
【法改正への対応】労働基準法などの法改正があっても、アウトソーシング会社が適切に対応してくれるため、企業は安心して福利厚生制度を運用できる
【コンサルティング】福利厚生制度の運用状況を分析し、改善策の提案など、専門的なアドバイスを受けることができる

福利厚生アウトソーシングを検討する際には、まず「自社の福利厚生制度における課題は何なのか」「アウトソーシングによって何を改善したいのか」を明確にする必要があります。現状分析をしっかり行わずにサービスを導入してしまうと、自社の課題解決につながらず、従業員満足度が向上しない可能性があります。以下のような点を洗い出し、課題を明確化することで、自社にとって本当に必要なサービスを見極めることができます。
・現状の福利厚生制度の内容
・従業員の福利厚生に対する要望や不満
・人事労務担当者の業務負担
福利厚生アウトソーシングサービスは数多くの企業から展開されており、それぞれ提供内容や料金体系が異なります。そのためひとつのサービスに絞らず、複数を比較検討することが重要です。自社のニーズを満たす最適なサービスを見つけるため、各社のウェブサイトや資料を参考に、サービス内容・料金・実績などの比較を行うことが肝心です。
多くの福利厚生アウトソーシング会社では、無料相談や資料請求を受け付けています。これらのサポートを活用することで、より具体的なサービス内容や導入費用について直接問い合わせることができます。そこで事前に疑問点を解消することで、自社に最適なサービスを見つけることが可能です。
導入時には初期費用や月額費用などのコストが発生します。あらかじめこれらのコストを正確に把握し、自社の予算に見合っているかを確認することが重要です。サービス内容によって費用が異なる場合もあるため、注意が必要です。
導入後には期待通りの効果が出ているかを検証する必要があります。従業員満足度調査を実施したり、人事労務担当者の業務時間削減効果を測定したりするなど、具体的な指標に基づいて効果測定を行いましょう。効果が見られない場合は、サービス内容の見直しや、別のサービスへの乗り換えも検討する必要があります。
アウトソーシングサービスに限ったことではありませんが、外注型の福利厚生サービスを導入する際は、従業員に対して導入の目的やメリットをしっかりと説明することが重要です。なぜ導入するのか、従業員にとってどのようなメリットがあるのかをわかりやすく伝えることで、従業員の理解と協力を得ながら利用率向上につなげられます。
従業員が迷わず利用できるよう、利用方法を丁寧に説明する必要があります。社内連絡ツールに情報を掲載したり、説明会を開催したりするなど、わかりやすく周知することが大切です。問い合わせ対応窓口を設けて従業員が気軽に相談できる体制を整えるのも方法のひとつです。
導入後も従業員からの意見や要望を定期的に収集し、サービス内容の改善に活かすことが重要です。従業員満足度を高めるためには、現場の意見を積極的に聞き取り、よりよいサービス提供に努める姿勢が求められます。

自社の課題解決や従業員満足度向上につながるサービスが充実しているかどうかは、選定時の重要な基準になります。サービスの種類や質、利用範囲などをよく比較検討しましょう。たとえば従業員の大半が20~30代の若い世代であれば、旅行やレジャー、自己啓発関連のプランが充実しているサービスが喜ばれます。従業員の家族構成やライフステージに合わせたサービスが充実しているかどうかも重要なポイントです。
【健康管理サービス】ストレスチェック、健康相談、健康診断の補助など
【自己啓発支援サービス】eラーニング、資格取得支援、セミナー参加補助など
【育児・介護支援サービス】保育施設の紹介、介護施設の紹介、ベビーシッター補助など
【レジャー・エンタメサービス】国内・海外旅行の割引、レジャー施設の割引、映画チケットの割引など
【財産形成支援サービス】財形貯蓄、社員持株会、生命保険など
豊富な実績を持つサービス提供企業にはノウハウが蓄積されており、質の高いサービス提供が期待できます。導入事例などを参考に、自社と同様の課題を抱える企業に対してどのようなサービスを提供しているのかを確認したうえで、以下のような情報をもとに信頼できる企業を選定し、長期的な視点で付き合っていくことが大切です。
【導入実績】導入企業数や従業員規模、導入企業の業種などを確認する
【企業の信頼性】財務状況やコンプライアンス体制などを確認する
【口コミ・評判】実際にサービスを利用している企業の口コミや評判を収集する
導入後もスムーズに運用していくためには、提供企業による手厚いサポート体制が不可欠です。以下のような支援が充実していると、人事労務担当者の大きな負担軽減につながります。特に初めて福利厚生アウトソーシングサービスを導入する場合は、サポート体制の充実度を重視して選ぶことが得策といえます。
【導入サポート】制度設計/システム導入/従業員への説明会などを支援してくれるか
【運用サポート】問い合わせ/各種手続き代行/システムメンテナンスなどを担当してくれるか
【相談サポート】制度変更や新たな福利厚生導入の相談に乗ってくれる専任担当者がいるか
初期費用・月額費用・サービス利用料などの費用体系を確認し、自社の予算と照らし合わせて比較検討しましょう。導入費用を抑えようと必要最低限のサービス内容にしてしまうと、従業員の満足度が思うように向上しない可能性があります。逆にサービスが豊富なプランを選んだ結果、費用対効果が見合わないという事態も考えられるため、自社の規模や予算、従業員のニーズなどを考慮して、バランスの取れたプランを選ぶことが大切です。
【初期費用】システム導入費、初期設定費、従業員向け資料作成費など
【月額利用料】基本サービス利用料、オプションサービス利用料など
【従量課金】利用したサービスの回数や内容に応じた料金設定など

執筆者 山本瑠奈|株式会社スナックミー カスタマーサポート
百貨店デザイナーズブランド勤務やコールセンター勤務を経て、株式会社スナックミーでお客さまとのコミュニケーション窓口を担うカスタマーサポート担当。個人・法人のユーザーさまが安心してスナックミーをご利用いただけるよう、お困りごとに真摯に向き合うかたわらで、課題解決に役立つ「よくある質問」コンテンツの編集・更新や「福利厚生用語集」の作成も対応中。好きなおやつは『もっちりさつまいもバター餅』と『米粉パスタスナック』。

監修者 中川栞|株式会社スナックミー ライター・エディター
Web制作会社の管理職としてライターの指導・教育に従事したのち、株式会社スナックミーでコンテンツ制作を手掛ける、おやつライター兼エディター。安心・安全の「おやつ時間」の楽しみ方や、暮らしや職場におやつがある日々の豊かさ、福利厚生置き菓子の魅力を軸に、自社オウンドメディア『snaq.me magazine』の記事や商品パッケージのコピーライティングなどを担当。好きなおやつは『スナックミーのやさしいキャラメル』と『キングソロモンデーツ』。
※本サイトは、福利厚生の導入や運用に関する制度や実務面でのアドバイスを提供するものではありません。当社は本サイトの記載内容(事例を含む)の正確性や妥当性に努めておりますが、各企業の状況に応じて、専門家へのご相談やご自身の判断のもとでご利用いただきますようお願い申し上げます。









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