禁煙支援とは?概要と注意点、取り組みのメリットをわかりやすく解説

2025/1/28

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企業・会社が従業員の禁煙成功を支援する働きは、健康経営の一環として有効的な取り組みのひとつ。福利厚生の一環として禁煙をサポートする重要性や、成功させるためのポイントなども踏まえながら、企業による健康経営の観点から禁煙支援が注目される背景や、大手企業による詳細な取り組み事例、実施により企業全体が得られるメリットについて詳しく解説します。

禁煙支援とは

オフィスにおける禁煙支援とは、従業員の健康管理や働く環境の改善という観点から、会社や事業者が従業員のタバコ禁煙を応援する取り組みを指します。日本の禁煙対策は諸外国に比べ遅れをとる状況ですが、2020年4月に「改正健康増進法」が全面施行されたことで完全禁煙化あるいは専用喫煙室を備えつけることが義務化され、さらにコロナ禍も経たことで多くの企業に変化が生まれました。

2020年4月に施行された「改正健康増進法」により、職場における受動喫煙対策が義務化されました。これをきっかけに多くの企業が禁煙対策に本格的に取り組む必要性に迫られています。また喫煙ブースなどの完全分煙を導入した企業への「受動喫煙防止対策助成金」を活用すれば、中小企業でも経費を抑えて設備を改善できるようになっています。

禁煙支援のメリット・効果

ノートパソコンで仕事をしながら、スナックミーのパイナップルのドライフルーツをつまむ様子

従業員の健康増進と医療費削減

禁煙対策の最も直接的な効果は、従業員の健康状態の改善です。喫煙は肺がんや心臓病、脳卒中など、さまざまな深刻な疾患のリスクを高めることが知られています。従業員が禁煙に成功することでこれらの病気にかかるリスクが大幅に低下し、健康な従業員が増えることで企業の医療費負担も軽減されます。

●疾病リスクの低下

禁煙によって低下する主な疾病リスクには、肺がん/口腔がん/喉頭がん/心筋梗塞/脳卒中慢性閉塞性肺疾患などが挙げられます。これらの疾病リスクが低下することで従業員の健康寿命が延び、長期的な視点で見ても企業にとって大きなメリットとなります。

労働生産性の向上

喫煙習慣のある従業員は、一日に何度も喫煙のために作業を中断します。瞬間的にストレス緩和・気分転換・リフレッシュなどのメリットを得ることができる反面、これらの中断時間を合計するとかなりの労働時間のロスとなり、喫煙による体力低下や集中力の減退も生産性に影響を与えます。喫煙をやめることで、従業員の体力や集中力が向上し、より効率的に業務をこなせるようになるのです。

企業イメージ向上と人材採用への好影響

禁煙対策に積極的に取り組む企業は、社会的責任を果たす企業として高く評価されます。健康経営に力を入れているという印象は企業イメージ向上に大きく寄与し、こうしたポジティブなイメージは優秀な人材の採用にも好影響を与えます。特に若い世代を中心に、健康に配慮した職場環境を重視する傾向が強まっています。禁煙対策を含む健康経営の取り組みは就職活動生からの評価を高め、優秀な人材の獲得につながるのです。

●メディア露出の増加

先進的な禁煙奨励を実施している企業は、しばしばメディアで取り上げられます。このような好意的な報道は企業ブランドの認知度向上や信頼性の醸成に役立ちます。結果として顧客や取引先からの評価も高まり、ビジネスチャンス拡大につながる可能性があります。

●従業員満足度の向上

禁煙支援は従業員の満足度向上にも寄与します。健康に配慮した職場環境は従業員のモチベーション向上やロイヤリティ強化につながり、それにより人材の定着率向上や長期的な企業の成長を支える重要な要素となります。

オフィス環境改善と清掃コストの削減

喫煙者の多い職場では灰皿の掃除や喫煙室・オフィス全体の空気清浄を行う必要があるため、清掃業者の定期利用や社内掃除当番といった費用・リソース面でのコストが生じます。禁煙対策が成功するとこういったコストを明確に削減しながら、タバコの煙や臭いがなくなることで快適な職場環境も実現でき、非喫煙者はもちろん禁煙に成功した元喫煙者にとっても大きなメリットとなります。また喫煙所や喫煙関連設備の維持管理が不要になることで、オフィススペースの有効活用が可能になります。

●空気質の改善

禁煙によってオフィスの空気質が改善されることで、以下のような効果が期待できます。これらの効果は従業員の健康と快適性を高めるだけでなく、オフィス機器のメンテナンスコスト削減にもつながります。

・従業員の快適性向上
・アレルギー症状の軽減
・目や喉の不快感の解消
・オフィス機器の寿命延長

●火災リスクの低減

当然のことでもありますが、喫煙所の撤去や社内完全禁煙化はオフィスでの火災リスクを大幅に低減します。タバコの不始末による火災は企業にとって大きな損失となる可能性があります。禁煙対策によってこのリスクを排除することで、安全性の向上と保険料の削減も期待できるのです。

禁煙支援のデメリット・注意点

ノートパソコンで仕事をしながら、スナックミーのクッキーをつまむ様子

プライバシーの尊重が必要不可欠

喫煙者のためとはいえ、過度の干渉は効果的とはいえません。健康状況を必要以上に把握・管理しようとする、私生活における喫煙状況確認に立ち入りすぎる、コンビニなどでタバコを購入していないかチェックする…といった行動は従業員のプライバシー侵害につながり、禁煙促進が失敗するばかりか従業員の勤続意欲にも悪影響をおよぼす可能性があります。適切なラインを見定め、一方的ではないコミュニケーションを心がけましょう。

喫煙者だけがインセンティブを得られる仕組みにしない

喫煙者であった従業員が禁煙に成功することでインセンティブを得られるという仕組みは、施策成功のために有効的ではありますが、一方で「もともとタバコを吸っていない従業員」のことも考慮に入れる必要があります。福利厚生の不平等化を招かないよう、たとえば健康診断で「優」「A」などのすぐれた評価を得た者にもインセンティブを提供するなど、喫煙者だけが得をすることのない設計が求められます。

禁煙ストレスの緩和方法を共有する

ただ強制的に禁煙を強いるだけでなく、禁煙時のイライラやストレスを緩和するためのマネジメント方法もあわせて共有・周知することで初めて、ケアの行き届いた手厚い禁煙支援としての運用が叶います。たとえば新たな気分転換方法としてヘルシーな置き菓子やおいしいオフィスコーヒーを用意したり、リラクゼーションやストレス発散につながる法定外福利厚生(スポーツジム提携やアロマテラピーなど)を提供するといった手段のほか、外部専門家にいつでも相談できる窓口を提示するのも欠かせません。

成功させるためのポイント

●経営層の理解・協力を得たうえでの明確な方針策定

禁煙対策を成功に導くには、まず経営層の強いコミットメントが欠かせません。トップダウンで明確な方針を打ち出すことで組織全体に禁煙の重要性が浸透します。具体的には社長(および経営層メンバー)自らも禁煙宣言を行い、全社員に向けてメッセージを発信するなどの取り組みが効果的です。

また禁煙推進委員会を設置し、人事部門や健康管理部門、労働組合などの代表者を交えて具体的な施策を検討することも重要です。この委員会で策定された方針を社内規程に盛り込み就業規則に反映させることで、組織的な取り組みとして定着させることができます。

●段階的なアプローチと長期的な視点

企業全体で行う禁煙推進は、一朝一夕には成果が出ないものです。長期的な視点を持って段階的にアプローチすることが成功の鍵となります。たとえば以下のような段階的なフローを経て、各段階で十分な準備期間を設け、従業員の理解を得ながら徐々に禁煙環境を整えていくことが大切です。また定期的に進捗状況を評価し、必要に応じて計画を見直すことも忘れてはいけません。

第1段階:喫煙に関する実態調査と意識調査の実施
第2段階:喫煙所の段階的削減と屋外移設
第3段階:就業時間内禁煙の導入
第4段階:敷地内完全禁煙の実施

●従業員の理解と協力を得るための工夫

禁煙対策を円滑に進めるには従業員の理解・協力が不可欠です。特に喫煙者の反発を和らげ、前向きな姿勢を引き出すための工夫が求められます。禁煙の必要性や健康への影響について、科学的根拠に基づいた情報をわかりやすく伝えることが重要です。社内報・社内イントラネット・SNS・掲示物などを活用し、継続的な情報発信を行いましょう。また禁煙成功者の体験談を共有することで、前向きな雰囲気を醸成することができます。

また同時に、禁煙に挑戦する従業員をサポートする体制を整えることも大切です。禁煙外来の利用補助やニコチンパッチなどの禁煙補助剤の提供、禁煙アプリの導入などが考えられます。さらに禁煙達成者に対する表彰制度や特別休暇の付与など、モチベーションを高める福利厚生の仕組みづくりも効果的です。

●産業医や保健師との連携

産業医による個別相談の機会を設けることで、喫煙者一人ひとりの状況に応じたアドバイスが可能になります。禁煙に伴う不安や体調の変化について専門家に相談できる環境を整え、従業員の安心感を高めていきましょう。定期健康診断の結果と連動させ、喫煙による健康リスクを個別に説明することも効果的です。保健師による保健指導の際に禁煙の重要性を伝え、具体的な禁煙プランを一緒に考えてもらうなど、きめ細かなアプローチが可能になります。

また、禁煙セミナーや教育プログラムの内容を産業医や保健師に監修してもらうことで、医学的に正確で説得力のある内容を提供することができます。最新の禁煙治療法や健康管理のトレンドを取り入れた、質の高いプログラムの実施が可能になります。

●データ分析と効果測定の実施

禁煙支援プログラムの効果を客観的に評価し、継続的な改善につなげるためには、データ分析と効果測定が欠かせません。具体的には以下のような指標を定期的に測定・分析することが重要です。これらのデータを可視化し経営層や従業員にフィードバックすることで、禁煙対策の成果を実感できるように。またデータに基づいて施策を見直すことで、より効果的な禁煙支援が可能になります。

・喫煙率の推移
・禁煙外来の利用率
・禁煙成功者の割合
・従業員の健康指標の変化(血圧、肺機能など)
・医療費や保険料の変化
・労働生産性の変化

●外部リソースの活用

禁煙対策を効果的に進めるには、社内のリソースだけでなく、以下のように外部の専門機関や企業との連携も検討すべきです。近隣の医療機関と提携し、スムーズに禁煙外来を受診できる環境を整えることが有効です。企業向けの特別プログラムを用意してもらうなど、従業員が利用しやすい仕組みづくりを行いましょう。

禁煙対策に先進的に取り組む企業との情報交換も有効です。業界団体や地域の経営者団体などを通じて成功事例や課題を共有することで、自社の取り組みをブラッシュアップすることができます。また複数の企業が連携して禁煙キャンペーンを実施するなど、社会全体で禁煙を推進する動きにつながる可能性もあります。

禁煙支援の取り組み事例

ガラスのティーカップに、ティーバッグを使ってお茶を淹れる様子

従業員の健康を守りながら生産性を向上させるためには、たとえば法定外福利厚生なども活用しながら、さまざまな禁煙対策を講じる必要があります。ここでは先進的な企業でも積極的に実施されている、具体的な取り組みを紹介します。

社内完全禁煙化の実施

オフィス内での喫煙を全面的に禁止する「社内完全禁煙化」の取り組みは、従業員の健康を守るだけでなく職場環境の改善にも大きく貢献します。しかし急激な変化は喫煙者からの反発を招く可能性もあるため、段階を踏んでいくアプローチも有効的です。はじめに喫煙室の利用可能時間を制限し、その後喫煙所自体の数を徐々に減らしていくことで、半年以上~数年スパンを意識した進め方で完全禁煙化につなげていくのもよいでしょう。

禁煙外来の費用補助制度

禁煙を希望する従業員をサポートするため、禁煙外来費用を補助する福利厚生を設けるのも有効的です。この制度により、従業員は経済的負担を軽減しながら専門家の指導のもとで禁煙に取り組むことができます。費用の何割かを常に負担する方法のほか、規定の期間(半年以上など)禁煙外来に通い続けると費用が支給されるやり方なども考えられます。

禁煙セミナーや健康教育の開催

禁煙セミナーや健康教育プログラムを受けられるようにすると、喫煙の害や禁煙のメリットについて理解を深め、禁煙への動機づけを強化する効果があります。喫煙と生活習慣病の関連性などがよくわかる各種ラーニングコンテンツ(外部講師を招いた禁煙セミナーやe-ラーニングなど)の提供のほか、禁煙に成功した従業員の体験談などを活用するのもおすすめです。

禁煙達成者へのインセンティブ制度

禁煙に成功した従業員に対してインセンティブを提供する手段も有効的です。たとえば半年間の禁煙を継続した従業員に報酬金を支給したり、完全禁煙に成功した従業員に2日の特別休暇を与えるなど、その具体策はさまざま。この制度は従業員の禁煙意欲を高めて長期的な禁煙継続を支援する効果があります。

禁煙アプリの導入と活用促進

近年ではスマートフォンアプリを活用した禁煙支援も注目を集めています。禁煙の進捗管理や禁煙によるメリットの可視化、禁煙のコツの提供などの機能を備えたアプリをうまく活用することで、従業員の自主的な禁煙をサポートできます。経過日数や「禁煙によって節約できた金額」の数字をリアルに表示することで達成度・達成感を可視化し、モチベーション向上につなげやすい点が魅力的です。産業医おすすめのアプリや医師監修アプリを選んで導入してみましょう。

タバコ代わりになる間食・置き菓子などの導入

喫煙習慣が染みついてしまっている人にとっては、タバコそのものを断つことに加え、これまでタバコ休憩でまかなっていた気分転換の手段がなくなることも大きな苦痛のひとつといえます。タバコを吸いたくなる欲を抑えながら、業務に支障の起こらない範囲で健全な息抜きが叶うように、カロリーや添加物に配慮した健康的な置き菓子などを導入するのもおすすめです。禁煙が進むにつれて「食べ物の味がよくわかるようになった」という声を聞くことがあるように、タバコを日常的に吸っていては出会えなかったような食品(オーガニックのナッツやドライフルーツなど)を提供してみるのもよいでしょう。

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執筆者「山本瑠奈」の顔写真

執筆者 山本瑠奈|株式会社スナックミー カスタマーサポート

百貨店デザイナーズブランド勤務やコールセンター勤務を経て、株式会社スナックミーでお客さまとのコミュニケーション窓口を担うカスタマーサポート担当。個人・法人のユーザーさまが安心してスナックミーをご利用いただけるよう、お困りごとに真摯に向き合うかたわらで、課題解決に役立つ「よくある質問」コンテンツの編集・更新や「福利厚生用語集」の作成も対応中。好きなおやつは『もっちりさつまいもバター餅』と『米粉パスタスナック』。

監修者「中川栞」の顔写真

監修者 中川栞|株式会社スナックミー ライター・エディター

Web制作会社の管理職としてライターの指導・教育に従事したのち、株式会社スナックミーでコンテンツ制作を手掛ける、おやつライター兼エディター。安心・安全の「おやつ時間」の楽しみ方や、暮らしや職場におやつがある日々の豊かさ、福利厚生置き菓子の魅力を軸に、自社オウンドメディア『snaq.me magazine』の記事や商品パッケージのコピーライティングなどを担当。好きなおやつは『スナックミーのやさしいキャラメル』と『キングソロモンデーツ』。

※本サイトは、福利厚生の導入や運用に関する制度や実務面でのアドバイスを提供するものではありません。当社は本サイトの記載内容(事例を含む)の正確性や妥当性に努めておりますが、各企業の状況に応じて、専門家へのご相談やご自身の判断のもとでご利用いただきますようお願い申し上げます。

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