時代の変化に伴い、企業に求められる役割も変わっています。現代では従業員のエンゲージメントをいかに高めるか、またダイバーシティに対応できているかが重要になりつつありますが、企業の「ファミリーデー」はそのアクションとして有効的な施策のひとつ。職場体験としての側面だけでなく、家族ぐるみの交流を通じて社員同士のコミュニケーションを活性化する効果も期待できます。ファミリーデーを実施する意味やメリット、気を付けるべきポイント、おすすめのプログラム事例などを幅広く解説します。
ファミリーデーとは、従業員とその家族(親・子ども・パートナーなど)を会社に招待し、職場環境や仕事内容を体験してもらう社内イベントです。通常勤務日とは異なり、企業のことを知ってもらいながら家族ぐるみで過ごす行事として企画されます。オフィスツアーや社員食堂での食事、子ども向けワークショップといったアクティビティが用意されることが一般的です。日本の企業文化においてファミリーデーは比較的新しい取り組みといえますが、グローバル企業やIT業界、歴史の長い老舗大企業などで有効活用されています。
社員やその家族の都合を考慮して開催時期を決めることが重要です。業務とファミリーデーいずれもの質を高められるよう、前提として繁忙期や査定期間などを避けるのが望ましいでしょう。社員の子どもや家族が参加しやすいように学校の休暇期間を考慮し、週末・祝日・夏休み期間などに開催するのもおすすめです。コロナ禍以降はオンラインツールを活用したバーチャルファミリーデーも広がりつつあり、これによりリモート勤務の社員や海外拠点で働く社員も参加しやすくなっています。

ファミリーデーは、従業員の会社に対するロイヤリティを高める効果があります。職場に家族が訪れることで、従業員は自分の業務内容や職場環境を家族に紹介する機会ができ、仕事に対する誇りや愛着が深まります。ファミリーデー開催を通じて企業が従業員を家族ごと大切に考えていることが伝われば、会社への信頼感や帰属意識の強化にもよい影響が生じるでしょう。
家族ぐるみで会社とのつながりを感じることで、特に子育て世代の従業員に「家族と仕事の両立がしやすい環境」であることをアピールできます。さらに同僚の家族とも交流することで、職場の人間関係がより深まり、安心して働ける環境が整います。これらの要因が相まって、社員が家族の理解を得たうえで長く働き続けたいという気持ちが強まり、結果として離職率を抑える効果が期待できます。
ファミリーデーの開催は、企業の対外的なイメージアップにもつながります。家族思いの企業として認知されることで求職者からの評価が高まり、優秀な人材の獲得にも有利に働くでしょう。また取引先や顧客からも、従業員を大切にする企業として好印象を持たれる可能性が高くなります。SNSなどで従業員やその家族が楽しそうにしている当日の様子を発信することで、口コミによる良好な企業イメージの拡散も期待でき、長期的に見ても企業ブランドの価値向上にも寄与するでしょう。
プライバシー侵害への注意はもちろん必要ですが、普段は仕事の話題が中心になりがちな同僚との会話が、家族の話題や趣味の話などにも広がることで、より深い人間関係が構築されます。イベントを通じて部署や役職を越えた交流の機会が生まれることで、日常の業務におけるコミュニケーションをより円滑にし、ひいてはチームの垣根を越えた情報共有や問題解決の効率化にもつながっていきます。
会社が家族との時間を大切にしている姿勢を示すことで、従業員も自身の生活と仕事のバランスを見直すきっかけになり、結果として効率的な業務の遂行や、残業時間の削減・有給休暇の取得率向上といった効果も期待できます。良好なワークライフバランスは、ストレスの軽減や家族との充実した時間の確保により、従業員の心身の健康維持やモチベーションアップにも貢献します。

ファミリーデーは従業員の家族構成や私生活が垣間見える貴重な機会である一方、個人情報の取り扱いには特に慎重になる必要があります。参加者の写真や動画を撮影する際は、事前に同意を得ることが不可欠です。SNSへの投稿についても明確なガイドラインを設けましょう。また家族構成が多様化している現代社会においては、「家族」の定義を柔軟に捉えることも大切です。血縁関係にこだわらず、従業員にとって大切な人を招待できるようにするなど、包括的な対応が求められます。
多くの人が集まるイベントでは安全面での配慮が欠かせません。特に子どもや高齢者が参加する場合はより一層注意を払い、会場の下見や危険箇所がないか確認しましょう。救護所の設置や、緊急時の対応マニュアルの作成も重要です。参加人数が多かったり、大がかりなアクティビティを伴う場合は、万が一の事故に備えてイベント保険への加入も検討すべきです。参加者の怪我や物損事故をカバーする保険に加入することで、主催者側の負担を軽減でき、安全に執り行うことができるでしょう。
社外の人間が出入りする機会であるため、安全管理だけでなく、セキュリティ対策も万全に行うことが求められます。不審者の侵入を防ぐため、事前予約制を導入したり、参加者の出席簿を活用して出席・退場の管理を徹底しましょう。また、当然ながら社内の機密情報や精密機器に参加者がアクセスできないよう、動線を適切に管理することも重要です。
ファミリーデーへの参加は、あくまでも自由意思によるものでなければなりません。参加を強制したり、不参加者に対して不利益な扱いをしたりすることは避けましょう。家庭の事情や、個人的な理由で参加できない従業員に対しての配慮も忘れずに行うことが求められます。同時に、無理に家族を連れてくることでかえってストレスを感じさせてしまっては本末転倒なので、相互理解を促しながら従業員一人ひとりの状況に応じた柔軟な対応が求められます。
特に海外拠点を持つグローバルな会社や、外資系企業などにおいては、さまざまな文化的背景を持つ従業員とその家族が参加する可能性があります。食事の提供する場合は宗教上の理由や健康上の理由による食事制限に対応できるよう、複数のオプションを用意しましょう。同時に、障がいを持つ参加者への配慮も忘れてはいけません。車椅子でも移動しやすい会場レイアウトや手話通訳の手配など、誰もが楽しめる環境づくりを心がけましょう。
ファミリーデーの開催には、会場費・食事代・アクティビティの費用などさまざまな支出が発生するため、企業の規模や財務状況に見合った予算配分を行うことが重要です。ただし、コスト削減に走りすぎてイベントの目的を見落とすことは避けるべきです。例えば社内の人材を活用してアクティビティを企画したり、地域の公共施設を利用するなど、コストを抑えつつ魅力的なイベントを実現するための工夫が求められます。

会社の沿革や歴史、企業理念などを家族に知ってもらうことは、ファミリーデーの大きな目的のひとつです。特に対象が従業員の子どもである場合は、専門用語をできるだけわかりやすい言葉に言い換えなければなりません。単にスライドを使って説明するのではなく、映像を活用したり、ゲスト参加型のクイズを取り入れたりと、飽きずに楽しめる工夫が求められます。
実際に業務を行うオフィスを見学したり、社内設備を紹介したりすることで、社員が働く姿をイメージしやすくなります。特に店舗や工場のある企業では、子どもたちにとっても新鮮な体験になるでしょう。安全面を考慮し、立ち入り可能な範囲を柵などで区切っておくことで、安心して見学してもらうことができます。
仕事を実際に体験できるワークショップも、ファミリーデーを盛り上げる人気の企画です。例えばエンジニアが多く勤めるIT企業ならプログラミング教室、メーカーや工場なら商品の企画・製作体験など、業種の特徴を活かした内容を取り入れることで、家族の思い出作りにもつながります。
子どもの参加が多い場合は、体を動かしながら楽しめる社内運動会などをメインの企画に据えると、場が一気に盛り上がります。普段の業務から離れてアクティビティに集中することで、社員同士のコミュニケーションも活発になり、団結力の向上にもつながるでしょう。
おいしい食事を囲んでの雑談は、親睦を深める機会となりえます。社員食堂がある場合は設備を実際に利用してもらうことで、職場でのランチタイムを疑似体験できます。また食品や飲料を扱う企業であれば、自社製品を試食として提供するのもおすすめです。普段どのような商品を扱っているのかを家族に実際に味わってもらうことで、会社への理解も深まります。
家族が職場を訪れる機会は、多くの人にとってはなかなかない体験でしょう。写真撮影ブースを設けたり、スタッフが記念撮影を行ったりすることで、後から思い出を振り返ることができます。また企業にとっても、会社説明会や採用シーンなど、以降さまざまな場面で写真を活用することができます。
会社のロゴが入ったお土産やノベルティを用意することで、参加者はもちろん、従業員自身にとってもより思い出深いイベントになります。日常的に使える文房具やエコバッグなど、実用的なノベルティを選ぶと喜ばれるでしょう。ファミリーデーのために新しくグッズを製造するのもよいですがロット数や費用も考慮し、他の場面(入社説明会や株主総会など)でも流用できる汎用性を意識するのがおすすめです。

執筆者 山本瑠奈|株式会社スナックミー カスタマーサポート
百貨店デザイナーズブランド勤務やコールセンター勤務を経て、株式会社スナックミーでお客さまとのコミュニケーション窓口を担うカスタマーサポート担当。個人・法人のユーザーさまが安心してスナックミーをご利用いただけるよう、お困りごとに真摯に向き合うかたわらで、課題解決に役立つ「よくある質問」コンテンツの編集・更新や「福利厚生用語集」の作成も対応中。好きなおやつは『もっちりさつまいもバター餅』と『米粉パスタスナック』。

監修者 中川栞|株式会社スナックミー ライター・エディター
Web制作会社の管理職としてライターの指導・教育に従事したのち、株式会社スナックミーでコンテンツ制作を手掛ける、おやつライター兼エディター。安心・安全の「おやつ時間」の楽しみ方や、暮らしや職場におやつがある日々の豊かさ、福利厚生置き菓子の魅力を軸に、自社オウンドメディア『snaq.me magazine』の記事や商品パッケージのコピーライティングなどを担当。好きなおやつは『スナックミーのやさしいキャラメル』と『キングソロモンデーツ』。
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