組織サーベイとは?概要と注意点、取り組みのメリットをわかりやすく解説

2025/2/14

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組織サーベイは、いわば企業の健康診断とも言える重要な取り組みのひとつ。従業員の声に耳を傾けて組織の実態を把握することで、より良い職場づくりへの道筋が見えてくるだけでなく、潜在的な課題の早期発見にもつながります。その実施メリットや結果を活用する方法などをわかりやすく解説します。組織力強化や戦略人事にお役立てください。

組織サーベイとは

お菓子と飲み物が置かれたテーブルでスマートフォンを操作する女性

組織サーベイとは、企業や団体が自社の組織の状態を客観的に把握するために行う調査のこと。従業員の意識や満足度、組織の課題、職場環境などを広範囲にわたって調べ、組織の健康状態を診断するツールとして活用されるもので、一般的に以下のような特徴を持っています。従業員にアンケートを配布・依頼したのちに回答を集計し、データ分析と結果の可視化、また現場へのフィードバックを行うことで効果的に運用できます。

・定量的なデータを収集し、客観的な分析が可能
・匿名性が保たれ、率直な意見を収集できる
・定期的に実施することで、経年変化を追跡できる
・組織全体の傾向だけでなく、部署や階層ごとの比較分析も可能

組織サーベイの主な調査項目

組織サーベイ実施時は、さまざまな観点から従業員の意識や組織の状態を把握するための調査項目を設定します。これらの項目は組織の現状を多角的に分析し、改善点を明らかにするために重要な役割を果たします。一般的に用いられる調査項目は以下のとおりです。

●職務満足度について

職務満足度は、従業員が自身の仕事や職場環境にどの程度満足しているかを測る重要な指標です。この項目では以下のような点について調査します。これらの項目を通じて従業員の総合的な職務満足度を把握し、改善が必要な領域を特定することができます。たとえば給与への不満が高い場合は報酬制度の見直しを検討したり、人間関係に課題がある場合はチームビルディング施策を強化するなど、具体的な対策につなげることが可能です。

・仕事内容への満足度
・給与、福利厚生など待遇への満足度
・職場の人間関係
・労働時間や休暇制度
・仕事のやりがいや達成感

●組織コミットメントについて

組織コミットメントとは、従業員が組織に対して感じる愛着や帰属意識のことであり、この指標の高さは従業員の定着率や生産性に大きな影響を与えます。この項目では以下のような点について調査を行います。たとえば会社への愛着度が低い従業員が多い場合、組織の一体感を高めるための施策や、会社の魅力を再定義する必要があるかもしれません。また転職意向が高い場合は、キャリア支援や職場環境改善といった具体的な対策を講じることが重要です。

・会社への愛着度
・組織の理念や価値観への共感
・長期的なキャリアビジョン
・組織目標達成への貢献意欲
・転職意向

●会社の経営方針や組織文化について

組織の文化や価値観は、従業員の行動や意識に大きな影響を与えます。この項目では以下のような点について調査を行います。これらの項目を通じて、組織の文化や価値観が従業員にどの程度浸透し、共感を得ているかを把握することができます。たとえば組織の理念への理解度が低い場合は理念浸透のための施策を強化したり、ダイバーシティ&インクルージョンの状況に課題がある場合は、多様性を尊重する文化づくりに取り組んだりするなど、具体的な改善策を講じることが可能です。

・組織の理念への理解度
・組織の価値観との一致度
・職場の雰囲気や文化
・ダイバーシティ&インクルージョンの状況
・企業倫理の浸透度

●社内コミュニケーションについて

組織内のコミュニケーションと情報共有は、円滑な業務遂行と組織の一体感醸成に欠かせません。この項目では以下のような点について調査を行います。これらの項目を通じて、組織内のコミュニケーションと情報共有の現状と課題を把握することができます。たとえば情報共有の仕組みに不備がある場合は、新たなコラボレーションツールの導入を検討したり、会議の生産性に課題がある場合は会議ルールの見直しや研修を実施したりするなど、具体的な改善策を講じることが可能です。

・社内コミュニケーションの活発さ
・情報共有の仕組みの有効性
・会議の生産性
・経営方針の伝達度
・社内SNSの活用状況

●管理体制について

組織のパフォーマンスを左右する重要な要素として、リーダーシップと管理体制があります。この項目では以下のような点について調査します。これらの項目を通じて、組織のリーダーシップの質や管理体制の効果性を評価することができます。たとえば上司のマネジメントスキルに課題がある場合は、管理職向けの研修プログラムを強化したり、経営陣への信頼度が低い場合は経営方針の説明会を頻繁に開催したりするなど、具体的な改善策を講じることが可能です。

・上司のマネジメントスキル
・経営陣への信頼度
・意思決定プロセスの透明性
・コミュニケーションの円滑さ
・フィードバックの質と頻度

●キャリア開発と成長機会について

従業員の成長意欲を満たし組織の人材力を高めるためには、キャリア開発と成長機会の提供が欠かせません。この項目では以下のような点について調査を行います。これらの項目を通じて、組織が提供するキャリア開発支援や成長機会の充実度を把握することができます。たとえばスキルアップの機会が不足していると感じている従業員が多い場合は、新たな研修プログラムの導入や、自己啓発支援制度の拡充を検討する必要があるかもしれません。またキャリアパスが不明確だと感じている従業員が多い場合は、キャリアプランニングのサポート体制を強化するなどの対策が考えられます。

・スキルアップの機会
・社内外の研修プログラム
・キャリアパスの明確さ
・昇進/昇格の公平性
・自己啓発支援制度

●ワークライフバランスについて

従業員の健康と生産性を維持するためには、適切なワークライフバランスの実現が重要です。この項目では以下のような点について調査します。これらの項目を通じて、従業員のワークライフバランスの現状と、それに関連する制度の活用状況を把握することができます。たとえば労働時間が長時間に及んでいる場合は、業務効率化や人員配置の見直しを検討したり、有給休暇の取得率が低い場合は休暇取得を促進するための施策を導入したりするなど、具体的な改善策を講じる必要性に気づけます。

・労働時間の適切さ
・有給休暇の取得状況
・業務量の適切さ
・フレックスタイム制度の活用度
・テレワークの実施状況

組織サーベイのメリット・効果

福利厚生の置き菓子を利用する従業員たち

従業員エンゲージメントやモチベーションが向上する

従業員の声に耳を傾け、その意見を尊重する姿勢を示すことで、会社への信頼感や帰属意識が高まる効果が期待できます。また自分たちの意見が組織の意思決定に反映されるという実感は、勤続のモチベーションアップにもつながるでしょう。具体的には以下のような効果が期待できます。

・従業員の意見を聞く機会を設けることによる、組織への愛着心の増加
・経営陣と従業員間のコミュニケーションギャップの解消
・組織の方針や目標に対する理解度の向上
・職場環境改善への期待感による、前向きな姿勢の醸成

組織の強み・弱みを可視化できる

組織サーベイを通じて、企業の強みと弱みを客観的に把握することが可能となります。数値化されたデータや自由記述による具体的な意見は、組織の現状を正確に反映します。これにより、経営陣は的確な判断を下すための貴重な情報を得ることができます。

可視化された強みは、さらなる組織の成長や競争力強化に活用できます。たとえばチームワークの良さや独自の企業文化などが強みとして浮かび上がれば、それらを採用活動や顧客へのアピールポイントとして活用することが考えられます。一方弱みについては、優先順位をつけて改善に取り組むことができます。たとえば以下のような項目が弱みとして特定された場合、具体的な対策を講じることが可能です。

・部門間のコミュニケーション不足
・キャリア開発機会の不足
・ワークライフバランスの悪さ
・評価制度への不満

改善サイクルを回し組織強化につながる

組織サーベイによって得られたデータは、経営判断や人事施策の立案において極めて有用です。感覚や経験則だけでなく客観的なデータに基づいた意思決定が可能となり、より効果的な施策を打ち出すことができます。たとえば以下のようなシーンで、定量的なデータを有効活用できるでしょう。

・離職率の高い部署における原因分析と対策立案
・従業員満足度と業績の相関関係に基づく投資判断
・世代別の価値観の違いを考慮した人事制度の設計
・リモートワーク導入効果の測定と改善点の特定

従業員と経営陣の信頼関係を構築できる

組織サーベイの実施は、従業員と経営陣の間の信頼関係を強化する絶好の機会となります。従業員の声に真摯に耳を傾けて結果を適切にフィードバックし、具体的な改善アクションにつなげることで、経営陣の姿勢に対する信頼が醸成されます。以下のような点に注意して取り組むことで、従業員は自分たちの意見が尊重され、組織の一員として大切にされていると実感することができます。結果としてより開かれたコミュニケーション文化が醸成され、組織全体の一体感が高まるといえるでしょう。

・サーベイ結果の透明性確保と迅速な共有
・経営陣による結果への真摯なコメントと改善へのコミットメント
・従業員参加型の改善プロジェクトの立ち上げ
・定期的な進捗報告と成果の可視化

離職率低下・定着率向上に役立つ

サーベイ結果から離職リスクの高い従業員層や離職要因を特定し、的確な対策を講じることができます。たとえば以下のような施策が考えられます。これらの施策を通じて満足度と定着率の向上を図ることができ、結果として組織の持続的な成長と競争力強化につながります。

・キャリアパスの明確化と個別キャリア相談の実施
・働き方の柔軟性向上(フレックスタイム制、在宅勤務など)
・福利厚生制度の充実
・公平な評価制度の構築と透明性の確保

潜在リスクを早期発見できる

組織サーベイは、コンプライアンスやリスク管理の観点からも重要な意味を持ちます。匿名性が確保された調査環境下では、通常のコミュニケーションでは表面化しにくい問題点や懸念事項が浮き彫りになることがあります。たとえば以下のような潜在的なリスクを早期に発見し、対策を講じることができます。これらの問題に対して適切に対応することで、法的リスクの回避や企業の社会的責任(CSR)の遂行にもつながります。

・ハラスメントの兆候
・不正行為の可能性
・安全衛生上の問題
・情報セキュリティの脆弱性

組織サーベイのデメリット・注意点

コーヒーカップ・焼き菓子の皿・ノートパソコンが置かれたテーブル

匿名性の確保と個人情報保護に留意する

組織サーベイを実施する際、最も重要な注意点のひとつが匿名性の確保と個人情報保護です。従業員が率直な意見を述べられる環境を作ることが、信頼性の高い調査結果を得るための鍵となります。匿名性を保証するためには以下の対策が有効です。同時に、個人情報保護法に基づいた適切なデータ管理も欠かせません。収集したデータの使用目的を明確にし、それ以外の用途での利用を禁止する規定を設けることが望ましいでしょう。

・回答者を特定できる質問項目の排除
・データの集計/分析時における個人情報の削除
・外部の専門機関への調査委託

適切な実施頻度を設定する

頻繁すぎる実施は、従業員の負担や回答の形骸化につながる恐れがあります。一方間隔が空きすぎると、組織の変化や課題を適時に把握できなくなる可能性も。一般的には、年1回から2回程度の実施が適切とされていますが、企業の規模や業界の特性、経営環境の変化などを考慮して決定することが大切です。また定期的な全社調査に加えて、特定のテーマや部門に焦点を当てた小規模なサーベイを適宜実施するのも効果的な方法です。

適切な実施タイミングを見定める

従業員の心理状態や業務の繁閑期を考慮し、適切なタイミングを選ぶことが大切です。たとえば年末年始や長期休暇の前後、決算期や繁忙期、大規模な組織変更や人事異動の直後といった時期は避けるべきでしょう。新年度の開始時や中期経営計画の策定前など、従業員の意識が高まり、組織の方向性を考える機会が多い時期に実施するのが効果的です。

適切な質問項目・回答方法を考案する

組織の現状や課題に即した質問項目を選定することが重要です。業界標準の質問項目を参考にしつつ、自社の特性や文化に合わせたカスタマイズを行うことで、より有意義な結果が得られます。また質問数が多すぎると回答者の負担が増し、回答率や回答の質が低下する恐れがあるため、適切な質問数に抑えることも大切です。

また、回答方式も結果の信頼性に大きく影響します。一般的には5段階や7段階のリッカート尺度が用いられますが、項目によっては自由記述欄を設けるなど、多様な回答方式を組み合わせることでより豊かな情報を得ることができます。

結果をフィードバック・共有する

サーベイ結果を従業員と共有することは、組織の透明性を高め信頼関係を構築するうえで重要です。ただし共有の方法や範囲については慎重に検討する必要があります。全体的な傾向や主要な発見事項を共有しつつ、個人や特定の部署が特定されないよう配慮することが大切です。また結果をただ伝えるだけでなく、それを受けて組織がどのような対応や改善を講じるのかを明確に示すことで、社員の参加意欲や期待感を高めることができます。

組織サーベイの取り組み事例

書籍・ノートパソコン・お茶のグラス・チョコレートの皿が置かれたテーブル

組織サーベイを効果的に実施するには、綿密な計画のもと適切な手順を踏むことが欠かせません。以下では組織サーベイの実施価値を高める具体的な取り組みについて、段階を追って詳しく解説します。

調査設計と質問項目の作成

組織サーベイの第一歩は、調査の目的を明確にし、それに基づいた調査設計を行うこと。経営層や人事部門、場合によっては外部のコンサルタントを交えて、何を知りたいのか、どのような情報が必要なのかを慎重に検討します。質問項目の作成はサーベイの核心となる部分です。以下のポイントに注意しながら質問を練り上げていきます。業界標準の質問項目を参考にしつつ、自社の独自性を反映させた質問を加えることで、より実効性の高いサーベイを設計できるでしょう。

・組織の現状や課題に即した質問を設定する
・回答者が理解しやすい明確な表現を使用する
・バイアスのかからない中立的な質問文にする
・定量的な評価と自由記述を適切に組み合わせる
・回答時間を考慮し、適切な質問数に抑える

調査の実施とデータ収集

調査設計が完了したら実際のサーベイ実施に移ります。近年ではオンラインツール(Googleフォームなど)を活用したアンケートが主流となっていますが、紙ベースのアンケートを併用するなど、従業員の環境に応じた方法を選択することが大切です。調査実施の際は、匿名性の確保や個人情報の保護に十分注意を払います。また高い回答率を得るために、経営層からのメッセージを添えるなど、従業員の協力を促す工夫も効果的です。

●調査実施の手順

1. 従業員への事前告知と協力依頼
2. 回答期間の設定(通常2週間程度)
3. リマインダーの送信
4. 回答データの収集と集計

結果の分析と報告書の作成

収集したデータをもとに詳細な分析を行います。単純な集計だけでなく、クロス分析や相関分析などの統計的手法を用いて、多角的な視点から組織の実態を把握します。分析結果はグラフや図表を効果的に用いて視覚化し、理解しやすい報告書にまとめます。単なる数値の羅列ではなく、結果から読み取れる示唆や改善に向けた提言を含めることで、より実践的な報告書となります。

●分析の観点例

・部署別/職位別の傾向比較
・年齢層や勤続年数による差異
・前回調査との経年変化
・業界平均値との比較

フィードバックと改善計画の立案

サーベイ結果を組織の改善につなげるためには、以下のように適切なフィードバックと具体的な行動計画の策定が重要です。フィードバックの際はポジティブな面とネガティブな面をバランス良く伝え、建設的な議論を促すよう心がけます。改善計画の立案には、現場の声を反映させることが大切です。部署ごとにディスカッションを開催し、具体的な改善アイデアを募ることで、より実効性の高い計画を策定できます。

・経営層への報告会の実施
・管理職向けの結果説明会の開催
・全従業員への結果概要の公開

継続的な取り組みとPDCAサイクルの確立

組織サーベイは一度実施して終わりではなく、継続的に行うことで真価を発揮します。定期的な実施と改善活動のサイクルを確立することで、組織の持続的な成長につながります。このサイクルを繰り返すことで、組織の状態を常に把握し、環境変化に柔軟に対応できる強靭な組織づくりが可能となります。

組織サーベイの実施方法は、組織の規模や文化、目的によって異なります。ここで紹介した方法を参考にしながら自社に最適なアプローチを見出し、効果的なサーベイを実施していくことが大切です。継続的な取り組みと改善のサイクルを通じて従業員の声に耳を傾け、より良い職場環境づくりを進めていきましょう。

以下の記事も、組織サーベイの実施メリット・デメリット、導入から活用までの流れなどがわかりやすく説明されておりますので、ぜひあわせてご参照ください。
組織サーベイとは?導入するメリットと活用手順を5ステップで解説 | ミキワメ(MIKIWAME)

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執筆者「中川栞」の顔写真

執筆者 中川栞|株式会社スナックミー ライター・エディター

Web制作会社の管理職としてライターの指導・教育に従事したのち、株式会社スナックミーでコンテンツ制作を手掛ける、おやつライター兼エディター。安心・安全の「おやつ時間」の楽しみ方や、暮らしや職場におやつがある日々の豊かさ、福利厚生置き菓子の魅力を軸に、自社オウンドメディア『snaq.me magazine』の記事や商品パッケージのコピーライティングなどを担当。好きなおやつは『スナックミーのやさしいキャラメル』と『キングソロモンデーツ』。

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