
ゲストといっしょにおやつを囲んでフリートークを楽しむ企画。おやつに関係ある話も、まったく関係ない話も飛び交います。おやつを食べているときって、そんなものなんじゃないだろうか。
ご登場いただくのは、コーヒーロースター『LIGHT UP COFFEE』の代表を務める川野優馬さんです。おいしいコーヒーがあることで一日が少し明るく感じる、そんな豊かな毎日をコーヒーを通し伝えれられています。

-今回は、「コーヒーと発酵」をテーマにお話を伺いたいです。LIGHT UP COFFEEでは発酵に着目したワークショップも開催されていましたが、そもそもコーヒーが発酵して作られたものだということって、それほど知られていない気がします。
そうですよね。でも、おいしいコーヒー豆ができるまでには、発酵は必要不可欠なんです。
-コーヒーの発酵は、どの段階で行われるのでしょうか?
コーヒーは、コーヒーチェリーと呼ばれる赤い実を農園で育て、種の部分を取り出すことでコーヒー豆の状態になります。発酵の工程が入るのは基本的にこのときです。
種を取り出す方式は「ウォッシュト」と「ナチュラル」があるのですが、簡単に説明すると「ウォッシュト」が、コーヒーチェリーの皮を剥いた後、発酵させて実の部分を取り除きやすくし、洗い落とす方法。

皮を剥いただけだとコーヒーの実の部分はドロドロなので、その状態でまとめて置いておき、発酵させます。すると微生物が糖を分解してくれて、実の部分が水っぽくなる。それでやっと種実を洗い落とすことができるんです。
もうひとつの「ナチュラル」は、皮を剥かずに乾かしてから脱穀するやり方。これも、乾燥台に置いておくと中の微生物が糖を食べてくれるので、自然と発酵が起きています。
-なるほど、皮がついた状態からコーヒー豆の部分を取り出すのには、発酵が必要なんですね。
そうなんです。LIGHT UP COFFEEでは発酵とコーヒーの味の関係を研究しているのですが、pHが4を下回るまで発酵が進むと、ツーンとする嫌な匂いが出てくることを確認しています。世界的にも、コーヒーを作っている人たちの中ではpH4くらいまで発酵させるのがスタンダード。

発酵を適当にやってしまうとフルーティーさが出なくなってしまうし、種の周りの糖分が溶けきらず、スッキリした味にならないんです。
-コーヒーのフルーティーなフレーバーが、発酵と関係していたなんて…!となると、シングルオリジンのコーヒーだと更に発酵を重視していたりするのでしょうか?
そうですね。シングルオリジンは農園や作り手ごとのこだわりを伝えるために個性を出してコーヒーを作っていくので、特に発酵が意識されています。
シングルオリジンに力を入れている農園に行くと、その日の気温によって発酵の進度が違うのを分かった上でpH計を導入していたり、舌で舐めてみて「こういう味がしたら発酵が丁度いい」など農家さんが独自のやり方で確かめていたりします。

もうちょっとつきつめている最近の農園だと、シャンパンやビールのイースト菌、乳酸菌など、独自に選んだ菌を添加してコーヒーの実を分解していたり、酸素がある条件下とない条件下では発酵の経路が違うので、あえて酸素を追い出したタンクの中にコーヒー豆を入れて発酵させているところもあります。
-コーヒーの味に個性を出すのにも、発酵へのこだわりが大事なんですね。ところで気になったのですが…菌によってどのようにフレーバーが変わるのでしょうか?
僕らが一緒に組んでいるベトナムの農園では、シードル(りんごのお酒)に使う酵母を添加して発酵させてみたところ、パイナップルやマンゴーなど南国フルーツのようなフレーバーが出てきました。他のところだと、乳酸菌を使っている農園がパナマにあって、そこは乳酸菌らしいヨーグルトみたいなフレーバーですね。ただ、こんな風にユニークさを出していこうとしている農園は全体の0.1%以下だと思います。

-世界的にトップレベルの農園こそ、発酵に着目しているということですね。ちなみに、私たちが発酵にこだわったコーヒーを楽しむには、どう選んだらよいのでしょうか?
発酵によるフレーバーが際立っているのは、「ナチュラル」のプロセスで作られたものですね。果肉がついたままだと発酵が進みやすいので、イチゴやラズベリーみたいなフレーバーのコーヒーもあります。
ナチュラルプロセス以外でも、発酵にきちんと気を遣い、大量生産でないものもあります。少なくともちょっと酸味があって、オレンジっぽいとか、リンゴっぽいなどと謳われていることが多いですね。
-なるほど…なんだか、これからコーヒーのフレーバーを選ぶのがより楽しくなりそうです!
面白いですよね。なにはともあれ、僕たちがコーヒーを飲んで感じるフレーバーは、全て発酵に左右されているんです。厳密に言えば、豆に含まれる糖分や水分量、土壌によって持っている微生物の違いなどもあるのですが、だとしてもコーヒーの味には全て発酵が関係しているといって過言ではありません。
今後コーヒーを選ぶ機会があれば、ぜひそんな部分も知って楽しんでみてくださいね。
川野優馬(かわの・ゆうま)さん
自家焙煎コーヒーショップ『LIGHT UP COFFEE』代表。丁寧に作られたコーヒーの個性豊かな素材の魅力を発信している。2020年よりsnaq.meでコラボレーションし、限定商品を不定期で販売。
スナックミーは、誰もが安心して楽しめる「やさしいおやつ」を届けるブランドです。素材や作り手と向き合いながら、おやつの時間をより心地よいものにすることを大切にしています。
遊び心に満ちたおやつの時間のワクワクを、働くおとなの毎日にも。法人向けサービス『snaq.me office(スナックミーオフィス)』も展開しています。
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執筆者 中川栞|株式会社スナックミー ライター・エディター
Web制作会社の管理職としてライターの指導・教育に従事したのち、株式会社スナックミーでコンテンツ制作を手掛ける、おやつライター兼エディター。安心・安全の「おやつ時間」の楽しみ方や、暮らしや職場におやつがある日々の豊かさ、福利厚生置き菓子の魅力を軸に、自社オウンドメディア『snaq.me magazine』の記事や商品パッケージのコピーライティングなどを担当。好きなおやつは『スナックミーのやさしいキャラメル』と『キングソロモンデーツ』。

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全国150社以上の生産者さんと一緒につくる、ほかでは食べられない特別なおやつたち。
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