私たちの働き方をめぐる環境は、目まぐるしく変化しています。 特に重視されるようになったのが「生産性」です。 今回は、生産性の向上に一役買う働き方の新しい考え方「アクティビティ・ベースド・ワーキング(ABW)」についてご紹介します。 アクティビティ・ベースド・ワーキング(Activity Based Working)とは? アクティビティ・ベースド・ワーキング(ABW Activity Based Working)は、 直訳すると「活動をベースにした働き方」となることからわかるように、 このように説明すると、フリーアドレス制を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれませんが、 フリーアドレス制では、固定席を設けずオフィス内で自由に席を選ぶことができます。 また、ABWには勤務時間の縛りもなく、時間の自由度が高いことも特徴です。自分のワークライフバランスを維持しながら無理なく働けるといった利点があります。 ABWから学べること ABWはとても理想的な働き方ですが、いきなり「場所も時間も働く人個人が選べるようにする」というのは少しハードルが高いかもしれません。 この働き方が実践できなくても、ここから学べることはあります。 手軽なリラックススペースをつくる ABWの核となるのは、働き手自らが働く場所を選べるという考えです。 大手企業ではこの考えに基づき、オフィス内に集中して仕事をするための1人部屋のようなスペースを設ける、自由な発想を生み出すための遊び場のようなスペースを設ける、リラックスのための仮眠スペースを設ける、といった試みがされています。 このように大規模な場所を作るには、空間的余裕や多額のコストが必要不可欠です。そこでおすすめできるのが、小規模なリラックススペースを作ることです。 1人の仕事に集中することは、自分のデスクでイヤホンをするといった工夫によって既存のオフィススペースでも可能になります。しかし、すぐ近くで仕事をしている人がいる状況でリラックスすることはかなり難しいのではないでしょうか。 スナックミーオフィスなどの置き菓子サービスを利用することで、おやつを食べてリラックスできるちょっとした空間を作ることができます。費用が抑えられ、広い場所も不要なので簡単に実践することができます。 働き手の意識 ABW実践のためには、制度を整えるだけではなく働き手の意識が伴っていなければいけません。 最も重要になるのが、社員同士の信頼関係です。上司が部下のことを信頼できず、オフィスにいないと仕事をしているのかわからないと感じるようであれば、制度があってもABWは機能しません。 また、たとえリラックスできる場所を用意したとしても、休まず働き続けるべきだという考えの社員がいれば、せっかくのスペースが台無しになってしまいます。 お互いを信頼し合い、多様な働き方への理解を示す姿勢は、働き方改革が進む中、ABWを実施していない企業でも必要なものになっています。 場所や時間を働き手自らが選択できるABWは、今後ますます注目を集めていくと考えられています。 大きく変化させることはなかなか難しいので、まずは意識を変え、小さなスペースをつくることから始めてみてはいかがですか。
オランダのVeldhoen + Company(ヴェルデホーエン社)が提唱した考え方です。
個人が業務に応じて最適な働き方を選べる仕組みを表しています。
ABWは単なるフリーアドレス制とは異なる考え方です。
対して、ABWは場所の自由度がより高く、オフィス内外問わず目的に応じて好きなところで働けます。
リラックスしたいときはカフェなどの落ち着いたスペース、集中したいときは1人になれるスペースといったように目的に合った場所を選ぶことで、作業効率のアップが期待できます。